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ちゅぱお と ちゅぱみ と ちゅぱろう - へっぽこ父さんの育児日記 -

1歳児くんと兄妹のわんぱく日記。 でも、稀に趣味日記も書きますよ^^

夢の中の父  


先日、夢を見た。

夢の中の私は、恐らくまだ中学生かそこら。
スポーツ刈りの弟たちが傍にいたので、間違いない。

実家の玄関から外に出る私。

その目の前に、銀色のベスパが走りこんできた。
瞬間、「あ、僕の乗っていたベスパだ」 と思った。
今は中学生であるはずなのに、
社会人になってからの出来事に一瞬で気づく。

夢とは不思議なもの。

がしかし、それよりも驚いたのは、
そのベスパに乗っていたのが、今は亡き父さんだったこと…
父さんは、3年前の9月11日に亡くなった。

「おとうさんっ!!」

私は声に出していた。
父さんは、髪は白髪交じりで、服装は作業着姿。
晩年よく見かけた姿、そのものだ。

父さんはバイクの免許を持っていた。
若い頃には乗っていた、と母さんから聞いたこともある。
だけど、乗っている姿を実際に見たことは無い。

つまり、初めて見る姿だ。

よくよく考えたら、私もバイクに乗る姿を、
我が子に見せていない…、機会があれば見せたいところだ。

ベスパから降りた父さんは実家の脇を通り、
いつものように、裏手にある作業場 (旧実家) に行こうとする。
それを追うようにして歩く私。

夢の中だけど、頭の中にひとつだけはっきりしていることがある。

父さんはもう亡くなっている、ということ。
故人なのだ、ということ。

それを自覚している夢というのは、不思議だ。
亡くなっているのが分かっているのに、今、話している。
ありえないことが起こっているのに、普通に受け入れている。

ただ、私は休むことなく喋っていたように思う。

「おお、元気にしてるじゃん、どう調子は?」
「今からお兄ちゃんにも声かけて、一緒に飲もうか?」
「裏で飲んでるらしいよ、ほらすぐそこで^^」

闘病時代の父さんなのか、それ以前の元気な父さんなのか、
しかし先日のお盆にやった裏路地バーベキューも意識に絡み、
夢は夢らしく、錯綜とした会話になっていた。

話している最中、父さんはずっと笑みを浮かべ、
その顔がいつの間にか、50~60代くらいから黒髪の30代へ変わる。

刹那、その姿がお盆時に実家で見た父さんの写真と被る。

私は父さんの腕をつかんだ。とてもガッチリしている。
自分たちが子供の頃の力強い父さんが、そこに蘇っていた。

実家の裏手には現在、長男の家があるのだが、
夢の中では、昔懐かしいトタン張りの一番最初の実家があった…
大きな重機、鉄板を敷いた床…、昔の実家、そのまま。

今であれば、懐かしさに目頭が熱くなる昭和の景色。
だが、そこへ父さんと私は、当たり前のように入っていった。

「ねぇどうする父さん?」 口が止まらない私。

夢の中でも確実に分かっている、父さんはもういないことを…
だからこそ喋る。とにかく喋って、父さんを繋ぎ止めたい。

この時間が、1秒でも長くあってほしいと願った。

夢の中の私はそう思いながら、
しかし父さんに対しては、ごく自然に、いつものように接した。

恐らく、5分も見なかった短い夢だったろう。

父さんは、笑顔を浮かべたまま、
何も喋らず、ふいに作業場の暗がりに、すっと消えていった…

「うおおおおおおおおおおおおおおーーーっ!!!」

夢の中で、私は叫んだ。ほぼ絶叫に近い叫びだった。
分かっていたこと。分かっていたことだが、衝撃的に辛かった。

そこに弟たちが来る。
うん、父さんが亡くなったのは分かっていたことだよね、と言う。
よく分かっている。最期を、兄弟4人揃って看取ったのだから…

それでも辛かったんだ。



…そこで目が覚めた。
寝ながら大声で叫んだんじゃないかと思ったけれど、
みんなすやすやと寝ていた。よかった…

嬉しくも悲しい…、切ないけれど、でも見れて本当によかった。
そんな夢だった。

何かを伝えに来たのかい? 父さん。

終始、笑顔の父さんは、恐らく無言で何かを語っていたはず。
最近子供たちを厳しく叱り気味の私に、
口下手な父さんは、大らかな父親の姿を見せに来たのかな?

分かった、気をつけるよ^^  ありがとう。



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