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ちゅぱお と ちゅぱみ と ちゅぱろう - へっぽこ父さんの育児日記 -

1歳児くんと兄妹のわんぱく日記。 でも、稀に趣味日記も書きますよ^^

吹奏楽部部長  


ちゅぱみ、吹奏楽部全国コンクールの本番が、もうすぐそこまで迫って来ている。

今年に入部した1年生はもちろんだが、昨年はコロナで大会が中止になっており、2年生も未経験。
かろうじてちゅぱみたち現3年生が、1年生の時に参加したっきりという、全国大会。
だけど、その3年生は片手で数えられる人数しかいないため、大舞台の経験が圧倒的に足りない。

ちゅぱみは部長として、とても大きな不安に駆られ、押しつぶされそうだった。
経験豊富な3年生の少なさ、2年生の本気の足りさな、1年生の技術力の低さ。全てが不安要素。
今更3年生は増やせないし、大会未経験の2年生に同じ意識を持たせるのも難しい。
そして1年生は入部してまだ3ヶ月弱。一番人数が多い学年が、一番未熟で心許ない状況。

ちゅぱみは何度か嘆いた。「こんなの無理だよ。うまく行くわけないよ」
部長という重責。自分が頑張って引っ張っていかないと、とても高みになんて上れない。
だけど、その自分自身も努力の結果が実った、という経験が未だにない。

一体どうすればいいのか…。受験生でもあるちゅぱみは、もう全部を背負い込むのが無理だった。

そんな中で、全国大会前の前哨戦として、地区大会が行われた。
まだまだ全体練習が不足しており、納得のいく演奏なんて一度として出来ていない状態だが、
それでも時は止まってくれない。

0720ホール01

一般客として、地区大会をホールで聴いた。自分たちのような素人耳では上手に聞こえた、が、
やはり演奏に細かなミスがあったようで、とても満足の行くものではなかったそう。

「もしかして恥ずかしい結果になるかもだから、お父さんお母さんを全国大会に招待したくない…」
ちゅぱみはこう言った。それはそれは寂しい発言だった。

「全体のハーモニーとか音程の細かなミスとか、そんなことは分からない。でもね、おとさんは、
大舞台に立つちゅぱみを観たいんだ。頑張ってきた娘の姿だけを観に行きたいんだ」
おとさんはこう告げた。ちゅぱみは顔を伏せ泣きながら、ただただ 「ありがとう」 と言った。

今年の吹部は、ちゅぱみたち3年生が主役になる年。
まさに自分たちの音で、色で、吹奏楽部というキャンバスを染め上げる、晴れ舞台の年なんだ。
2年生はその演奏に陰影を付ける役。1年生はその演奏に新しい色を添える役。

全体では20数人いても、その中で3年生は片手の数しかいない。色が増えても塗り手が少ない。
それで他校とどう競い合うのか。経験豊富な3年生がいる学校とどう渡り合うのか。

そりゃあ、ストレスを抱えても仕方のない状況だと思う。

ちゅぱみはそこまで芯が強い子じゃない。発言は強くでも、心根は繊細でもろい。
もう何度、負けそうになったか分からない。挫けて、部活の練習に出れない日もあったと思う。

0720ホール02

本番目前の、大きいホールでの最後の練習。
やっと全体がまとまってきた、とちゅぱみが言うようになった。実際にいい演奏に聞こえた。

中学校の顧問の先生とは別に、他校などから臨時で各楽器を指導する先生を呼ぶこともある。
その指導を受けた際に、ちゅぱみは初めて褒められたそうだ。

ちゅぱみが扱うのはコントラバス。自分たちの吹部では唯一の弦楽器となる。
他でも弦バスを入れる吹部は少ないそうで、だからこそ一層、ちゅぱみの演奏が光っていた、と。
ちゅぱみはすごく喜んだ。ものすごく喜んだ。
顧問の先生があまり褒めない性格なので、より外部の人に褒めてもらえたのが嬉しかった。

誰もが自分の演奏に不安を抱えている。それも全国大会間近だ。
ナーバスになるなと言われても、誰もがナーバスになる。普通にしていられるわけがない。

そんなちゅぱみの、部長の心を、その褒め言葉が救ってくれた。
きっと誰もが思っているよりも遥かに、ちゅぱみの心に、力と勇気を与えてくれたことだろう。
その日、初めて嬉し泣きをしたそうだ。

そうしてちゅぱみは持ち直し、いざ全国大会本番へと挑む。
泣いても笑っても一回っきりの勝負。めいっぱい後悔の無い演奏を願うばかりだ。



category: 再開 - その後 : 学校関係

thread: 中学生の子育て - janre: 育児

tag: 吹奏楽部  全国コンクール  コントラバス 
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